2019年3月18日月曜日

生きろ!(平成31年3月18日・卒業式校長式辞より)

 弥生三月。花々は咲きそろい始め、本格的な春の訪れを感じる今日、3月18日。今、卒業証書を手にした6年生の皆さん、卒業おめでとう!

 そして、保護者の皆様。6年間は長かったでしょうか?短かったでしょうか?毎日の見守りの積み重ねによって、今日の卒業を迎えることができたのだと思います。感慨もひとしおのことと存じます。本日はお子様のご卒業おめでとうございます。そして、ありがとうございました。

 また、ご来賓の皆様、公私ご多忙の折、本校卒業式にご臨席賜りまして、まことにありがとうございます。日頃より児童を見守っていただき、重ねてお礼申し上げます。今日児童は小学校を卒業しますが、地域での生活はこれからも続きます。健やかな成長のため、今後も温かく子どもたちを見守っていただきたく存じます。

 さて、今日3月18日は何の日であるか、皆さんは知っていますか?54年前、1965年の今日、ソ連の宇宙飛行士、アレクセイ・レオーノフが人類初めての宇宙遊泳を成功させた日です。そして、30年前、1989年の今日、女子選手では世界で初めてトリプルアクセルジャンプを成功させたフィギュアスケートの伊藤みどり選手が、日本人選手として初めて世界選手権で優勝した日でもあります。また、電波塔では世界一の高さを誇る東京スカイツリーの高さが634mに達したのは2011年、8年前の今日でした。このように大きな出来事があり、いろいろな記念日である3月18日ですが、今日皆さんの小学校卒業という新たな記念日となりました。

 しかし、時は流れ続け、今のこの瞬間もあっと言う間に過去になってしまいます。だからこそ、時間をムダにせず前へ進んで欲しいのです。できるかなあと考えているのではなく、やるんだ!と進んで欲しいのです。

 思い出してみると「できるかな?ではなくてまずやってみろ!」と私の背中を押してくれたのは小学校時代の恩師でした。私の人生をふりかえってみると、これまでいろいろな人の言葉に励まされ、背中を押してくれたように思います。中学校時代の恩師からは「正しいことは、一人になってもやれ!」、高校時代の恩師からは「目標を立てろ!そしてその実現のために行動しろ!」と教えられました。大学時代の恩師からは「人生は一度きり。人生を豊かにするためにも本を読め!」とよく言われました。学生時代の数々の言葉は今も私の中に生きています。

 仕事についてからの印象に残る言葉も多くあります。最初に勤務した学校の先輩教員からは「かげ口や噂話は気にするな。しかし、直接の忠告にはしっかり耳を傾けろ!」と教えられ、ある校長先生からは「人のとげを抜こうとするのではなく、むしろ磨け。人の個性を大切にしろ!」と諭されました。また、教育委員会勤務時代には上司から「仕事をする時は、何を何のためにいつまでにやるのか、それをまず考えろ!」と言われましたが、仕事をする時にはいつもその言葉が思い出されます。

 両親の言葉も残っています。父からは「足りないところを補う努力を続けろ!もういいと思った時に成長はストップする。」と、母から「ありがとうとごめんなさいが言える素直な心と挨拶を忘れない態度が人の世を生きるためには必ず必要。」と子どもの頃から言われ続けました。

 ふりかえってみると、これらの言葉のおかげで私は成長できたのだと思います。人は人の中で、人として成長する。人との出会いやつながりの中で、人の言葉をしっかり胸に刻んで欲しい。人を大切に人生を歩んで欲しいと思います。

 私からの皆さんへの言葉です。それは「生きろ!」という言葉です。どんなに苦しい時も、辛い時も、生きて欲しい。大切な命をしっかり生きて欲しい。過去を変えることはできませんが、生きていれば未来は自分で創ることができるはずです。皆さんが、「まっすぐに しなやかに たくましく」この変化の激しい時代を生き抜いてくれることを期待しています。

 結びに、この4月から中学校へ進学する6年生の皆さんの前途が豊かであることと、本日ご臨席のご来賓、保護者の皆様のご健勝・ご発展を祈念し、私の式辞といたします。


(写真は6年生が私の靴箱に入れてくれたメッセージです。名前がないので誰が入れてくれたのかわかりませんが、ありがとう!顔もかっこいい!)