穏やかな天気です。土曜・日曜と振替休日があったため、終業式の後、3日間の休みがありましたが、規則(摂津市立小中学校の管理運営規則)では今日から冬休みです。何度も繰り返し話題として出てきますが、今年は地震、台風、大雨、酷暑と自然の脅威に何度も苦しめられました。摂津市を含めた大阪府北部にはいくつかの活断層が南北、東西に走りますが、どこかで「いつかは起こるかもしれないが、まあ大丈夫かな?」という意識が私にも少なからずあったのかもしれません。台風の直撃も大阪府にはこれまであまりありませんでした。しかし、地球温暖化の影響からか海水温が上昇し、台風が発生する緯度が以前よりも高い場所になり、台風のコースも変化してきています。今年は逆走台風もありました。「大丈夫」な状況とは明らかに違ってきています。
昨日、大阪ガス ハグミュージアム(京セラドーム大阪 前)で開催された「次世代につなぐ防災&減災フォーラム」に参加しました。第1部から第4部までで構成され、非常に盛りだくさんの内容でした。ここでは、フォーラムから学んだこと、印象に残った言葉などをお伝えします。
「今夏の地震や台風によって防災意識が高まっている。」…災害にどう立ち向かうかは、けっして他人事ではなく我が事としてとらえなければならないという機運が高まった今こそ、家族でも防災についてしっかり話し合わなければならないと思いました。
「子どもは大人の背中を見ている。」…大人が災害に対して主体的に対応しなければ、子どもも自ら命を守る行動をとらないのではないでしょうか。命を失う可能性があるならば、それに備えて、逃げる姿勢を大人が持たねばならないのだと思います。そして、自助の大切さが言われますが、自らも備えながら、共助・公助と一体となって、自然災害に立ち向かう社会を構築しなければならないと感じました。
「いざという時のことを考えることが、いざという時の行動につながる。」…以前、盛岡大学の先生と防災についてお話しした時に、いろいろなことを考えたり、訓練しておかないと、いざという時に動けない。やったことがないことをいきなりやれと言われてもできないと先生が仰っていたことを思い出しました。
「いろいろな人が災害に遭っていることを忘れてはいけない。」…お年寄りのこと、赤ちゃんのこと、障害のある人のこと、外国から来ている人のこと、その他いろいろな人が災害時には避難します。多様性の理解も大切ですが、ついつい内に向きながら生活することが多くなってしまう中で、日頃からのつながりの必要性を改めて感じました。
この摂津市は、そして、私たちの味舌小学校区は、住みよいいい町ですし、さらに良い町になることを願っています。そのために、学校教育に携わる立場として何ができるのかということも改めて考えました。本市の防災アドバイザーでもある東京大学大学院 片田 敏孝 特任教授は昨日の講演で「岩手県釜石市では、子どもと逃げたお年寄りもいた。逃げないとあの子たちが私を助けに来て、ともに命を落とすかもしれない。その人は、愛するこの地に住む者のお作法として、私も津波が来る時はまず逃げると語っていた。命を守る姿勢を社会全体で育む環境が大切だ。」と話しておられました。今日の穏やかな校区の様子を見ながら、「育みの環境」づくりに力を注ぎたいという思いを新たにしました。